予防歯科
生涯を通して健康な歯でいるために
虫歯と歯周病は、どちらも初期に自覚症状が無い特徴を持っています。そのため、ある程度進行してから気づくことが多く、その特徴があるからこそ歯を失う大きな原因となっています。虫歯も歯周病も早期発見すれば簡易な治療で済みますが、気付かないのでは治療につながることは困難です。そのため、歯科医院は、予防のための定期検診を強く進めているのです。生涯を通して健康な歯を維持し、食事や会話を楽しみ続けるためにもぜひ検診をご利用ください。
予防治療の重要性
歯とお口の健康を積極的に守るため、クリニックでの「プロケア(プロフェッショナルケア)」と、歯科専門医の指導の「セルフケア」の両方で
予防歯科を実践しましょう。そのためにも、クリニックでの定期的な検診が大切になります。
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「歯の健康エクササイズ」で
口内環境の維持ができる体調を崩さないために体力作りやストレッチをしたり、サプリメントを利用したりしている人は多いでしょう。それと同様に、お口の健康を守るためには歯科医院が提供する予防プログラムが役立ちます。歯は食事や会話をするために重要な役割を持っていますし、口腔内の衛生を保てば身体全体の健康維持にも貢献します。そのためにも、当クリニックと一緒に「歯の健康エクササイズ」に取り組んでいきましょう。
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残存歯数を
増やすことができる日本では高齢の人が入れ歯に頼ることが珍しくありません。一方、欧州では予防が浸透しているので、日本よりも歯を残せる人が多い事実があります。2017年の厚生労働省の発表によれば、80歳の時点で日本では平均13本しか歯がないのに、スウェーデンでは平均21本も残っています。
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天然歯で食事を
楽しむことができるおいしく食事をすることは、誰にとっても生涯を通しての楽しみです。しかし、虫歯や歯周病で歯に痛みがあったり、歯を失ったりすると、食事がしにくくなります。また、歯が健康でなければ食べるものも限定されがちなので、栄養補給もとどこおります。人間の歯は、削ったり抜いたりすると人工物でおぎなうしかありません。近年は、入れ歯やインプラントの技術も発達していますが、天然歯に勝るものはまだ存在していません。
当クリニックの予防治療
5分で測定できる唾液検査(LION Pre.Oral Healthcare)
当クリニックが行っている唾液検査(SMT:Salivary Multi Test)は、虫歯菌の量や酸性度、緩衝能(中和力)や白血球の量、タンパク質やアンモニアの量を測定することが可能です。これらの数値を確認することによって、それぞれの患者さんがどの程度虫歯や歯周病にかかりやすいのかを可視化することができます。検査は、10秒程度うがいの要領で唾液を採取する簡単なもので、結果はわずか5分でわかります。お口の状態を正確に知れば、予防の方法も具体化できますから、ぜひ唾液検査をご利用ください。
唾液検査で何がわかるのか
- 01虫歯菌
- お口の中にどの程度虫歯菌が存在しているのかを、数値的に示す項目です。虫歯菌の数が多いほど、歯の表面にプラーク(歯垢)が張り付きやすくなるので、虫歯のリスクが定量的に把握できるのです。
- 02酸性度
- 酸性度が高いほど、脱灰(虫歯が進行する際に歯の表面に起こっている現象)が進みやすいので、唾液の酸性度は虫歯リスクの把握に役立ちます。虫歯菌の数、緩衝能と合わせて、歯の健康度を示す数値です。
- 03緩衝能
- 緩衝能とは、お口の中が酸性に傾くことを緩和する能力で、虫歯菌が出す酸への中和力を示す値でもあります。この数値が低い場合、虫歯に対抗する能力も低く、脱灰が起こりやすいので注意が必要です。
- 04白血球
- 白血球は体内に侵入した異物を無害化し、細菌などから身体を防御する役割を持っています。そのため、唾液の中に白血球が多く含まれているということは、歯周ポケットなどに細菌が多いことを示しています。
- 05タンパク質
- 歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)に歯垢や歯石が多いと、唾液の中のタンパク質が増加します。そのため、白血球とタンパク質の数値を合わせて見ることで、歯ぐきの健康状態を把握することができます。
- 06アンモニア
- 唾液中にアンモニアが多いということは、お口の中に細菌が多数存在することを示しています。そのため、アンモニア値はお口の清掃状態を示しています。またこの数値が高いと口臭も起こりやすくなります。
唾液検査の費用について
治療期間 | 半年~1年 |
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治療回数 | 1回 |
料金 | 3,300円(税込) |
注意点・リスク
- 健康保険を適用できない自由診療の検査です
- 検査を行う1時間前から、飲食や歯磨き、喫煙を控えてください
- 検査数値に影響が出るので、事前に激しい運動をするのは控えてください
- アルコールを含む洗口剤は、検査12時間以内には使用しないでください
- 何らかの疾患などで抗生物質を使用している場合は、事前に申し出てください
エアフロー
エアフローは、微小な粉末をジェット水流で歯に吹きつける設備です。ご自身で行うブラッシングでは落とせないバイオフィルムなどの汚れも一掃するので、虫歯や歯周病の予防に役立ちます。また、歯面の汚れだけでなく、歯周ポケットの内部の細菌も除去します。歯面の汚れ除去にも、お口の健康維持にもおすすめなので、ぜひ定期的にご利用ください。
エアフローの5つの効果
- 01虫歯や歯周病の予防になる
- エアフローは微小な粉末を歯面や歯ぐきに吹きつけるので、セルフケアでは落としにくいバイオフィルムも除去することができます。歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間の汚れにも効果を発揮するので高い予防効果があります。
- 02清掃効果が高い
- 虫歯や歯周病の原因となるバイオフィルムを落とすだけでなく、歯面に付着した着色やたばこのヤニも除去することができます。さらに、歯ブラシの毛先が届かない、深い歯周ポケット内の歯周病菌を清掃することも可能です。
- 03短時間できれいになる
- エアフローはジェット水流で微小な粉末を吹き付ける設備です。歯ブラシの毛先が当たりにくい場所にも効率よく粉末が回り込むので、非常に短い時間の処置で、効率よくお口の中を清掃することができます。
- 04歯や詰め物・被せ物を
傷つけにくい - 突起状の金属を使用するスケーリングの処置でも、歯や歯ぐきを傷つけないように丁寧に処置していますが、エアフローなら、そもそも詰め物・被せ物や天然歯、歯ぐきなどを傷つけず、やさしく清掃することができます。
- 05歯石や着色がつきにくくなる
- エアフローを行うと、歯面を磨き上げたようにツルツルになります。そのため、歯垢や歯石が新たに付着しにくくなるので虫歯や歯周病にかかりにくくなります。また、着色汚れの防止にも役立ちます。
エアフローの費用について
パウダーメインテナンス | 30分 5,500円(税込) |
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フルメインテナンス | 45分 9,900円(税込)(染出、TBI、エアフロー、SC、フッ素) |
注意点・リスク
- 健康保険を適用できない自由診療の処置です
- 放射線治療やナトリウム接種制限を行っている方、呼吸器系の疾患がある方や妊娠中の方には施術を提供しておりません
- 施術後、一時的に知覚過敏を感じることがあります
- 施術後、一時的に出血が起きやすくなることがあります
エアフローの後の
ホワイトニングで
さらに綺麗な歯に
術前から歯科に受診し、口腔内の環境を整えることで、口腔内の細菌を少しでも減少させて、感染性心内膜炎や誤嚥性肺炎などの術後合併症やトラブルを予防することができます。骨粗しょう症などに使用するBP製剤の影響で骨壊死が起こり、抜歯をせざる可能性もあるため、定期的なメインテナンスを行うことをおすすめしております。ご相談やご質問もお気軽にお聞きください。
PMTC(歯のクリーニング)
歯科医師、または歯科衛生士などの有資格者が、専門的な設備を利用して行うお口の清掃です。歯垢や歯石を除去するので虫歯や歯周病の予防になりますし、歯面を磨き上げるので見た目もスッキリします。PMTCは、基本的に保険で対応しております。より時間をかけてクリーニングしたいなど、ご希望があれば自費での対応も可能です。スタッフまでお声がけください。※矯正の方の場合は、自費になります。
PMTCの費用について(自費の場合)
スケーリング・PMTC | 30分 3,300円(税込) |
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フッ素塗布 | 1,100円(税込) |
注意点・リスク
- 健康保険を適用できない自由診療の処置です
- お口の中の環境が悪い場合、施術に時間を要することがあります
- フッ素塗布も行うので、施術後30分は口をゆすぐことと、飲食を控えてください
歯ぎしり予防のナイトガード(エルコプレス)
眠っている間に行う歯ぎしりによって、歯や歯ぐき、顎の関節がダメージを受けることがあります。そのため当クリニックでは、歯ぎしりを予防するナイトガードを取り扱っています。歯ぎしりはご本人に自覚が無くても、ストレスなどを原因として知らないうちに行っていることがあります。就寝中に行う歯ぎしりの負荷は、起きているときよりも1割以上も力が強いと言われています。「歯や詰め物・被せ物が破損しやすい」、「起床時に顎がだるい」といった症状がある場合、就寝中の歯ぎしりが影響しているかもしれないのでぜひご相談ください。
歯ぎしりによる影響
- 01歯周病が進行する
- 歯ぎしりによって特定の歯に力をかけ続けると、歯を支えている歯槽骨や歯ぐきに負荷がかかります。すると、歯周組織を破壊する歯周病の症状を進行させてしまう可能性があります。
- 02詰め物が取れる
- 歯に強い負荷がかかると、装着している詰め物が取れやすくなります。詰め物が取れた状態を放置すると虫歯が再発しやすいので、ぜひ早めにご相談ください。
- 03歯がすり減る・ヒビが入る
- 歯ぎしりは歯に強い負担をかけたまま、対合面をこすり合わせる動作です。そのため、歯がすり減ることがありますし、ヒビや割れも起こりやすくなります。
- 04顎の関節が痛む
- 歯ぎしりや食いしばりを繰り返していると、歯や歯ぐきだけでなく、顎の関節や咀嚼筋も負荷を受けます。すると顎関節に痛みやだるさを覚えることがあります。
歯磨き指導
衛生士による歯磨き指導を行っています。
一人ひとりの歯列に合わせた歯磨き方法をお伝えします。また、患者さん一人ひとりに合わせた歯ブラシも処方させていただきます。
日ごろのお口ケアに
定期検診をご利用ください
定期的に歯科で検診を受けていると、虫歯や歯周病が悪化してから通院を始めることに比べて、お口の健康を守りやすくなります。虫歯も歯周病も初期に自覚症状が無いので、気付いた時点である程度進行していることが多いからです。一方、症状の有無に関わらず定期的に通院していれば、プロケアを受けることやセルフケアをスキルアップすることで発症を防止できます。また発症しても早期発見できる可能性が高いので、治療が容易です。ぜひこれらの点を踏まえて、定期検診をご利用ください。